神様を描く手

アウトライン２ （タンカスクール２日目）

タンカスクール２日目。

今日は仏陀の全身坐像だ。全身像は楽しいけど時間がかかる。

何しろ腕の長さが６ユニット腿が12、膝が２、足が４、指が２、手首の幅が4、足首が4.5といった具合にひとつひとつの細かいサイズやフォルムが細かく決められているので、ゆっくりと時間をかけて描いていかないといけない。

フォルムに関しては指先をビミョーの反らせたりとか。

その後、キャンバスを張ったり、キャンバスの下地を塗ったり。
もう、普通に張りキャンバスとかじゃダメかね。意外に面倒な作業。

キャンバスの下地は膠に何とか言う壁とかに使う白い粉を混ぜて作る。
ちなみに混ぜるのは「手」で混ぜる。ダマがなくなるまで根気よく。
これって攪拌器とかで混ぜちゃダメなのかね。
それより膠に手を突っ込んじゃやばいんじゃなかったっけ？もう知らんけど。

それから布に下地を浸してごしごしと表裏に塗りこんでいく。
これも今ではローラーとかを使うらしいが、タシはこっちのほうがいいらしい。アナログだなあタシは・・・。

ちなみに今日はタンカを書いてる最中から、
「今、彼女はいるのか」
「いないですけど、何か？」
「今まで何人と付き合った」
「○人ですが、何か？」
「一番長い子は何年付き合った」
「あのー、その書きかけのタンカは進めなくていいんですか？」
「そのうちの一人を譲ってくれないか？」
「タシさん！？」
ってな具合で、はっきり行って集中できないんだよなあ。

絵を描いているときは完全に集中したい性質なんだけど私。

今日は５時間も居てしまった。

その後タシに誘われてナムギャル寺の周りのコルラ道を散歩した。途中の景色のいい岩の上に腰掛けて、仏教の話をした。

タシいわく、誰にでも（ムシにも動物にも）幸せになりたいという願いがあり、手助けができるならお互い手助けをし、できないなら祈ることが大事という。
仏教には３つの段階があり、ひとつ目は聞くこと、２つ目は考えること３つ目は瞑想することだそうだ。瞑想し、悪い考えを追い出していくこと。そのために良いものと悪いものとを見分ける良識（というのかな？なんて訳すかよくわからん）が必要だと。そのステップ・バイ・ステップで誰でも仏陀になれるポテンシャルを持っているのだと。

そんな話をした後に、
「こないだクリケットを見に行ったら、セクシーなおねえちゃんがチアガールをしていてサイコーだった」
とか言うから・・・
タシよ、説得力ねえなあ。

結局その後、8時くらいまで付きまとってきた。
あの、タシさん、あの描きかけのタンカはいいんですか？

そんなわけで疲労で死んでます。
明日はタシとサッカーを見る約束をした。

  
 全身坐像（タシにだいぶ直されて汚いけど）

これが我が師、タシの描きかけタンカ

アウトライン (タンカスクール１日目)

あああ日本語が話したいよ～。

思えば旅に出て２週間ほとんど日本語話していないなあ。
この町に日本人いるのか？ルンタハウスの日本食レストランに行けばいるか？

そんなことよりも、今日はタンカスクール１日目である。今日は紙の上にアウトラインを描く練習から。

タンカというのは仏典に文字で表されている仏様の姿を絵画に翻訳したものであるので、仏典どおりに描くことが必須になる。

まず、教えられたのは『比率』たとえば仏陀の顔なら上から順に2・4・4・12・4の割合で横線を引く。更に縦線を中心から12の位置に引き、更にその中を6・2に分ける。その線を目安にして描いていくのだ。ちなみに今回は４を１インチで描いたが、描く大きさによってユニットのサイズを変えれば同じ比率で描ける。

そのほか細かい守るべき内容があり、描く度にタシにチェックしてもらう。あ、先生の名前はヨースケでなくてタシという。

大体注意されるのは部分ごとの比率と左右対称に関してである。あとは線をスムースに描くようにとかクリアにしろとか。つまり線はびしっとマンガみたいに１本で決まっているほうがいいのだ。デッサン的に何本も線を重ねて書くのは良くないということらしい。

あと面白いなと思ったのが、紙を回転させちゃいけないそうだ。
やっぱりご尊顔を描くのに紙をぐるぐる回すのは不敬、ということなんだろうか？

紙に鉛筆で２枚描いてから、２枚目にいきなり筆でアウトラインを入れることになった。

借りた筆に慣れるのにちょっと時間がかかり、一部の線が全くシャープさを失ってしまった。まあ、最初だからいいか。でも筆を入れるのは緊張する。失敗が許されないから。たまに手が震えると線が乱れるので超集中して描く。

今日は初日なのでそこまで、3時間で終了した。

ちなみにお決まりですが何か始める日は必ず雨。今日も朝から雨。

さっき、びっくりするくらい良い天気の天気雨に降られて折角ランドリーに出した服がまた濡れてしまった。

うわあ、言ってる内にまたどしゃ降りになってきた。帰れないー。

鉛筆で描いたもの　　　筆入れ後

EAT!EAT!

昨日、ネモさんからのリクエストがありましたので、今まで撮影した食い物の写真を載っけます。あまり面白いのは無いです。すみません。

 
カオマンガイ　　　　　ラーメン(バミーナム)

揚げ鳥ご飯　　　　　ガパオみたいなもの

おかゆ　　　　　　　カツカレー(笑)

 

チリチキン　　　　　　トゥクパ(チベットうどん)

以上でした。昨日から、ALBUM　DHARAMSALA　PHOTOSにも写真を少しずつUPしています。

 　　

PROGRESS!!

約３日ぶりにゆっくりと眠ることができた。
この肌寒いくらいの陽気が何だか懐かしい。

今日は早速タンカが学べる場所を探そうと思っていたのだけれど、何故か、いざ探そうとすると腰が重くなってしまう。
10時ごろまで宿でうだうだと溜め込んだ日記なんかを書いて過ごしていたが、頭の中に『PROGRESS』という言葉が浮かんで来て仕方ないので、宿を出ることにした。

デリーにいたとき、あっちこっち工事中で（何でもデリーでオリンピックをやるからとか言ってましたが、やめたほうが言いと思います）、工事用フェンスに必ず『PROGRESS』と書かれていたのだ。

いざ探してみると、容易でないことがすぐわかった。町中にいろいろなスクールのチラシが貼ってあるが、殆どはYOGAで、たまにHINDIとかCHIBETTAN COOKINGというのがある位。以前タンカスクールを見た場所にも行ったが既に跡形もなかった。9年は長い。

宿のチベタンや唯一見つけたART系の木彫りアートのスクールに聞いても「知らない」「聞いたことない」ばかり。

町中歩き回っても、それらしい看板もポスターも何も見つからない。

疲れ果てて（忘れていたけど標高が高い。階段をダッシュで上ると5分くらい死にます）、WIFIカフェに入り、ネットを見てみることにした。

ネット上にはカトマンズのスクールのあれやこれやがワーッと出てきた。カトマンは町も大きいし、ツーリストへのインフラもここより整っているのでやっぱりそれなりの需要に対しての供給があるようだ。

ネットの情報も比較的新しく、カトマンに飛べば確実に通えそうな感じだった。
カトマンズに行かなかったのは五反田のタンカスクールの先生にたぶらかされたというのもあるが、実際にはVISAの問題が大きかった。

ネパールVISAは国境で取得可能だが、確か１ヶ月しか取れず、一部情報では1日2ドルのVISA代がかかるというのもあった。

でも今日調べた限りでは国境でも空港でも90DAYSのVISAが取れそうなのだ。

少し迷いを持ちつつ、以前滝を見に上った道のほうまで足を伸ばしてみると、なんと！タンカ屋の看板にLEARNING PAINTING(これ英語間違ってないかな？)の文字が！なんという偶然だろう。

感動して店の前に座っているお兄さんに聞くと、イエス、と言う。
どれくらいの期間がかかるのだろうかと聞くと、大きさにもよるが５日から2週間くらいだ、と言う。ずいぶん短いなあ。

ちょっと疑いたくなり(金八、ごめん)、値段や時間や何やかやと問いただすと、明らかに面倒くさそうな感じになってきた。どうやらこの人、英語があまり得意でないらしい。最終的には
「明日からラサに買出しに行くので2ヵ月後にスタートだ」
と、とんでもないことを言い出したので諦めることにした。

やはり、ダラムサラでタンカは無理なのだろうか。
カトマンズはかなりツーリストに開かれていて気楽にタンカを習える様子がわかる。しかし、ダラムサラはどちらかと言うと有名な馬場崎さんのように本格的な『修行』の場としてのイメージが非常に強い(彼は32年間！ダラムサラでタンカを描いた)。

このまま、見つからなければ行く道は2つにひとつである。

① このまま、このインドでの旅を続ける→本来の旅の意味から外れるし、たぶん後悔しそう。もはやかみさまを描く手でもなんでもない。ただし、ラダックに行くとかいう手はあるかもしれない。

② ひとまずデリーに戻り、カトマンズに飛ぶ→間違いなくスクールには通えるが、インドに来た意味が無い。飛行機代とVISA代は全く無駄になる。しかもカトマンは遠い。

もう決めるしかないのだ。いまや『前進！』と言うのが強迫観念のように頭の中をぐるぐる回っていた。

ご飯を殆ど食べていないので、義務的にチベタンレストランに入りMOMOという餃子に激辛のチリソースをかけて食べた。
ネパールか、ラダックか。何れにせよここ何日間か移動のしっぱなしで寝てない食べてないの状況が続いていてくたびれ果てていたので、どちらにしてもすぐに選ぶのは無理だよ、と思った。

MOMOを食べながら、ふと、レストランの壁に貼ってあるオレンジ色のチラシが目に入った。
「チベタン アーティスト
　タンカを学ぶコースのセッティングができます」
・・・な、なにー！！！

MOMOを全速力で食い終わり、走るように地図の場所へ向かった、
灯台下暗しである。そこは私が投宿しているLOLING GUESTHOUSEの上、更に200ｍくらい上がった先の山道のように細い道を上がった先にあった。

こんなとこ、絶対にここに住んでいる人しか来ない場所だ。

一軒の家に「タンカアーティストここ↑」と、親切にも書いてあったので、扉をたたくと、良く言えば江口洋介風のチベタンが現れた。

「(福山風に)あんちゃん！・・・じゃなくて、私、日本人で、タンカを習いたいんですけどスクールはやってますか？」
と聞くと、笑顔で中に招き入れてくれた。

部屋は４畳半くらいの狭い部屋だった。ベッドの上にはまさに今正に描きかけの尊像のタンカが置かれていた。空の描き方などを見て、一応ハッタリではないと感じた。

チャイを入れてくれて、いろいろな話をした。
彼が言うには、本来は長い時間がかかるが、スクールの場合はとりあえず４～５週間で一通りのアイデアは教えることができるだろう、と言った。金額ははっきり言って予想の倍以上だったが、ここからカトマンに移動するなら、移動費で賄えそうな額だった。

あと、私、英語ヘッタクソですけどいいですか？と、一番気になることを聞いたが、今、話しているんだから大丈夫と、もっともなような答えになっていないようなことでまとめられた。

何より、ダラムサラやインドのことや今までここに来た生徒のことを話していて、なんとなくこの人は信じていいのではないかと思えてきた。以前学んでいた台湾人の生徒の写真をデジカメで見せて、「彼女はかわいい」と言っていたこととか。

とにかく、明日から毎日13時に彼の元に訪れることにした。
彼にしてみてもこの金額は相当な収入のはずである。きっとまじめに教えてくれるだろう。たぶん。

やっと、明日から始まるタンカスクール。しかも自称チベタンアーティストと一対一である。
果たしてこれがどんな結果になるかはわからないけど、チラシを目にしたレストランにはチベットの守り神『パンデン・ラモ』のタンカがかかっていた(パンデン・ラモは、このBLOGのバナーになっている神様です)。これはパンデン・ラモのお導きなのではないか？

なんにせよ前進！！この旅に後退は許されない。自分に常に脅しをかけて今日も前進するのだ！

 
今日も天気が良い 

Northan Villege Dreaming

インドだよ…
まさにインドを感じた一日。

まず、ダラムサラ行きのバスは来なかった。

ツーリストオフィスの兄ちゃんがあせって手を尽くし、マナリー行きのバスにダラムサラに向かうわれわれを詰め込んだ。当然、マナリー行きに我々のシートは無い。

デリーの町を出て３０分ほどでチベタンビレッジに到着。ここで、ダラムサラ組はバスを乗り換えるとかでバスから放り出され、まず、そこで２時間放置。すでに時計は夜の９時。

更にどうやら本来ツーリストのみのバスに乗る予定だった我々を強引にパブリックのバスに押し込んだために、あちこちでダブルブッキングが発生し、チベタンと白人たちが大騒ぎしている。おかげで更に30分の足止め。

しかもこのバス、調子が悪いのかケチっているのか頻繁にエアコンが止まり、その度に車内が蒸し風呂となる。

夕食で停まった場所で、タイヤの破損が判明し、急遽ジャッキも無しにタイヤの交換を始める。ここで1時間のロス。

ダラムサラについたのはもう昼にならんとしている時間でした…
実に19時間もバスと格闘していたのか…疲労しているわけだ。

来る直前に旅行会社で見たガイドブックで見つけた宿にあっさり投宿して、やっと一息つけた。

ダラムサラは9年ですごく変わっていた。

道路なんてほぼ舗装されていなかったのに、もはやほとんどの道が舗装され、インド人が我が物顔で運転する(なぜか車を運転するのは必ずインド人)車がびゅんびゅん走り回り、かつてはツーリストバス位しか入らなかった広場で大渋滞が起きていた。

なぜかチベタンはあまり見かけず、例の金が落ちるところに必ず我ありといわれたインド人が商店にもほとんど入り込んでいる。

お気に入りだった食堂はほとんど無くなり、インド料理かイタリアンのレストランばかりだ。誰がここまで来てイタリアンを食おうと思うのかなあ？

この町に長居できるだろうか？

とりあえず、明日、タンカスクールをあたってみるつもりです。

「信じられぬと嘆くよりも、人を信じて傷つくほうがいい」

と偉大な人(金八先生)が言ってましたね…

なぜかインド来てからこの言葉がよく頭に浮かびます…

 
NEW DELHI　MAIN BAZAR(デリーでアップできなかったので。瓦礫の山です)

DHARAMSALA　巡礼路からの眺め
 
 

Delhi , My Love

どなたかサウナの中に電気カーペット敷いて温風を浴びながら寝たことありますか？
私はあります。

ホテルの部屋は日が完全に落ちた後も一向に涼しくならず、ベッドが熱を帯びて暑くなっており（卵をおいておけば温泉卵が出来ます。たぶん）、その上ファンは熱風をかき混ぜるだけという状況。

あまりの暑さにもう寝てしまえと思ったのだが、11時過ぎに身の危険を感じて飛び起きてしまった。
「このまま寝ていたら明日の朝確実に死んでいる」
と思い、比較的涼しいホテルのロビーに下りてソファーにへたり込んでいると、宿のディバックが
「窓全部あけて、入り口も開けて、ファンを回しなさい」
ととんでもないことを言い出した。

しかし、あのままでは絶対にあの部屋では寝られないので、貴重品だけ持って開けっ放しにし、しばらくロビーで涼むことにした。

12時過ぎには何とか寝られる位まで体が慣れてきたが、それでも夜中に5回くらい起きてしまった。

今日は体が持たないのでマクドナルドとケンタッキーをはしごした。
日本だったら食生活を疑われるが、インドではブルジョワにしか出来ない超贅沢である。

その後、コンノートプレイスの地下にあるparika bazarに行った。
ここは地かな上に、冷房が効いていて涼しい。
歩いているとほとんどすべての店から
「ヘイ、フレンド！」
と声をかけられる。
バザールを一周する間におよそ300人くらいの友達が出来る。

それにしても、あの一見クズのような物でも自信満々に売ってこようとする精神はちょっと見習うところがあるな、と、元店舗マネージャーとしては考えてしまいました（笑）　

さて、このデリーの中心、コンノートプレイスを歩いていると確実にインド人から声をかけられる。
「ハロー、How are you？」
「ハロー、まあまあです」
「どこから来た？」
「日本」
「ニホン、コンニチワ」
「はい、こんにちわ」
「私、学生です。今休日で、デリー来てます。ジャイプールに住んでます。ジャイプール知ってる？」
「9年前に行きました」
「デリーの後どこ行くの？」
「ダラムサラ」
「どうやって行くの？」
「バスで」
「チケット取った？」
「取った」
「すぐそこにガバメントのツーリストオフィスがあるから行かない？」
「絶対に行きません」

という、まあ、大体同じような内容を何度も繰り返さなくてはならない。もう、面倒だから最後の2行だけにしてくれないかな。
どうせ、それが聞きたいんだから。

一人と別れると1分以内に必ずもう一人現れる。
「ハロー。私、ジャイプールから休暇で来た学生です」
・・・流行ってるの？それ。

こんな楽しいデリーと一晩でお別れとは・・・
後30分後のバスで、一路ダラムサラに行きます！

DIVE to INDIA

インドはインドに選ばれた人しか来れないとはいうけれど、まさかまた舞い戻って来ようとは・・・

エアインディアは機体を小刻みにゆすりながらゆっくりとインドにＤＩＶＥした。

インディラ・ガンジー空港からはエアコン付きのなかなかきれいなバスで市内中心のコンノートプレイスまであっさり行くことが出来てしまい、なんだかインドも変わったなあ、これじゃあバンコクと変わらないなあ。

と思っていたのだが、やっぱりここはインド・・・コンノートから宿があるメインバザールまでの間に、

「ツーリストオフィスを紹介してやる」

「こっちがガバメントのオフィスだ」

「メインバザールはこっちだ」

などと10人ほどにしつこく付きまとわれて、やっとインドに来た気になった。

宿は9年前も投宿したＰＡＹＡＬへ。ここは日本人宿として有名でボスのディパックさんは日本語が話せる。

宿はドミトリーが小さくなっていたが、ほとんど変わっていず、9年前に泊まった部屋もあった。

驚いたのは、9年前、話をしたパプーがまだいたことだ。向こうは覚えていないようだったけれど（あたりまえか）、なんだか9年がひどく短く感じると同時に切ないような、悲しいような変な気分になってしまった。

やたら日当たりのいい、温室のような部屋に投宿。ファンが回っている部屋より外のほうが涼しい。インドだなあ・・・

メインバザールは何でもガバメントの指示で道路拡張が行われているらしく、ニューデリー駅側から建物を片っ端から壊している。まるで道路全体が工事現場のようで、上から瓦礫が容赦なく振ってくるし危なくてしょうがない。

そのせいで、ただでさえホコリっぽいデリーがもうホコリで10メートル先が見えないような状況になっていてひどい物だ。

もう今日のうちにダラムサラ行きのバスを取ってしまおう。

まだついて3時間くらいだけど、もうすでにホコリっぽいデリーの顔は見飽きたさ。ああ、見飽きたさ。

早くダラムサラ行ってミソ汁飲もうっと。じゃなかった、タンカを描こうっと。

Next Flight

カメラ、なぜか完全に直りました。
ということはやっぱりCCDにほこりが乗ってたんだろうか？
何にせよGR-Digitalに対する信頼が少し揺らいだような…
デリーではあまりの暑さと湿度にGXが動かなくなったとかいう情報を見たので、デリーに居る間はGR-1Sを使おうかな。

でも直って良かった。昨日がんばってよかった。

さあ、ついにインドだ。
明日の今頃はデリーのパハールガンジに居るのかと思うと気が重い。
誤解がないように言っておきますが、私、インドが大好きなんです。
前回、9年前にインド・ネパールで3ヶ月くらい滞在した経験から言っているので、間違いないと思います。

でも、ほんっとにインドはめんどくさいんです。すべてにおいて。
ほら、居るでしょ。すっごくめんどくさいんだけど大好きな子みたいな。

この9年間で変わってないかな…変わってないだろうな。4000年間なーんにも変わってないもんな。

しかも行こうとしている宿、PAYALとEVER GREEN両方ともなんだか評価が下がっていて困る。でもどっちかにしてしまうだろう。

まあ、トラブルとトラベルは同じも同然じゃないですか。
トラブルのないインドなんてもはやインドじゃない。

9年前のデリーは2週間くらいの滞在中ほとんどベッドで死んでいたのでデリーに対するいい印象がない。

しかも、すでにコルカタ、バラナシ、アグラ、ジャイプールと回ったあとだったので、もう体がインド化されていて、平気で警察官を怒鳴り飛ばしたりしていた。今ではそんなことできないだろうな。インドに行ったらそうなるのかな？

できれば、この怒りを知らない穏やかな心でインドをすごしたいものだなあ。無理だろうけど。

今回の旅はある意味『贖罪の旅』だ。
私は、そのためにただひたすらタンカを描くつもりだ。

明日、ようやくそのスタートラインに立つ。

自分を忘れないように。
自分を正面から見据えることができるように。

それでは、行ってきます！

WAT ARUN

 KHAOSAN ROAD

BROKEN SUNSET

今日はこの旅始まって以来の大事件が起きた（まだ始まったばかりだけど・・・）。

昨日宣言した通り、２日間を有意義に過ごすべく、今日は朝から市場巡りに行くことにした。

カオサンからチャオプラヤー川をエクスプレスボートでメモリアルブリッジまで行き、花を売る店が集まるフラワーマーケットを巡ってから中華街。インド人街のマーケットを散策。

大事件に気づいたのはその後サイアムパラゴンの日本食レストランfujiでのんきにカツカレーを食べているときであった。

別にカツカレーのまずさが大事件だったわけではない(確かにここまでカツカレーをまずく作れるのは才能だとは思う)。

カレーが出てくるのを待ちながら、今日撮った写真をチェックしていると、一部の写真に細い糸のような影が浮いているのが見えた。主に空を多く撮りいれて、絞りが「絞られた」状況の写真でハッキリと分かる。

「レンズにほこりがついたか」

と思い、レンズクリーナーを使用して拭いてみたが、絞った状況を作って確認するとまったく状況が改善されていない。
とすると、これはどうやらカメラの内部的な問題なのではないか？

背筋が凍った。

まさかバンコクの時点がカメラが死んだか・・・

考えられる原因は
① 撮像素子(CCD)にほこりが乗った
② 内側のレンズにひびが入った
の２つだ。実は昨日トイレで落としているので(便器にではありません)、②も十分に考えられる。しかもコンデジなので、一眼の様にほこりは乗りやすくないと思われる。

そこまで考えたとき、バンコクに来てこれまでないくらい強いモチベーションがふつふつと湧き上がってきた。

「絶対に直さねばなるまい」

もともと今までやってきた仕事がマネージャーとは名ばかりのトラブル対応窓口だったので、トラブルを目の前に俄然Mの気が・・・もとい、やる気が沸いてきたのだ。

すぐにiphoneでRICHOの現地法人の電話番号を調べて電話をかけた。あいにくバンコクのリコーはコピー機などオフィスサプライ専門らしい。デリーも調べたが同じだった。

そこで、バンコクの窓口でリコーのカメラを直せるところを知らないかと聞いてみると、スクンビットにあるといい、電話番号を教えてくれた。

修理の内容となると込み入った話になると思ったので、その「EAST ENTERPRISE」という会社に直接行くことにした。

最初iphoneのマップで住所検索したが、まったく見当違いのところをマップが示したため、だまされて散々時間をロスした。
そこでさらにMの気・・・もとい、やる気が再燃し、空港でもらった無料地図を広げて住所から探してみると、スクンビットに確かに71rdという道を発見した。

無料地図の一番端で途中で切れているので、とにかく行ってみるしかない。

メトロとBTSを乗り継ぎ、PHRA KHONONという駅まで行った。

そこからはひたすら歩き。途中住所を見せて道を聞いても、なぜか誰も分からない。タイ人ってもしかして住所とか知らないの？

やみくもに20分くらい歩いて偶然、目的の住所に近い住所ナンバーの店を発見。やっと目的のEAST ENTERPRISEにたどり着いた。

きれいなお姉さんが２名でお出迎え。ここはリコー製品の取り扱いのほかにも「ARTISAN&ARTIST」のカメラ用品も扱っていた。私が実際今持ち歩いているGRのケースもこのメーカーだ。好きなんです。

症状を説明すると、お姉さんは「２週間かかります」という。

しかし、私はあさっての朝、インドに行かなくてはならないのだ。
それを説明すると、いきなり明日の２時に仕上がることになった。
はじめの２週間って言うのは何だったんだ・・・。

お姉さんはCCDにほこりがついていると思い込んでいるようだ。分解清掃で800Bかかると言われた。せっかく今日はナイトマーケットで1000Bくらい散財してやろうと思っていたのにできないではないか・・・
私がちょっと困るとお姉さんがもっと困った顔をするので、「ぜんぜんOKです」と言ってしまった。

とにかく明日ですね。たぶん直らない可能性80％だけれど、ここまでこのカメラの為に努力した、というカタルシスが欲しかったんです。やりきりました。

ちなみにこのEAST ENTERPRISEはBTSのPHRA KHONONから、ON NUT方向に３００メートルくらい歩き、スクンビット71rdを左折、さらに15分ほど歩くとあります。ジャスコが目印です。

写真屋の皆さん、もし、お客様から質問されたら教えてあげてください。ごねれば早くできます。

FLOWER MARKET

FLOWER MARKET  

 

A Lonely Alien

今、ものすごい勢いで雨雲が広がってきたので、今晩は雨が降るかもしれない。

ここのところ雨が降らず、ついに私の『神』力も衰えたかと思ったが、バンコクもそろそろ雨季に向かっていくのかなあ。

夜半に雨が降ってくれるといいんだけど、昨日は丸一日一点の曇りもない『晴れ』だったので真夜中になってもまったく熱さが衰えず、初めて
「エアコンの部屋にするんだった・・・」
と後悔した。

本来なら昨日は一日楽しく犬と追っかけっこしたり、まゆゆを追っかけたり(うそ)して疲れているはずなのに、朝５時に暑さに耐え切れずに飛び起きてしまった。

水シャワーを浴びてようやく落ち着き、二度寝したりしているうちに気付けば午後１時・・・。

今日は時間も遅いのでいつもの散歩コースをぶらぶらして帰ってきた。何の発見もなく、何の高揚感もない一日だったが(いや、マクドナルドのお姉さんがボタン押すとストローが出てくる箱からストローがどうしても出てこず、四苦八苦した挙句にようやく出た際の笑顔にはかなり高揚した)、こんな日もあるよ。もう１週間になるから。

＜今日のコース＞
２番のバスでパンティッププラザまで→プラトゥーナム市場→カメラビル→MGK→東急→15番のバスでカオサンロード

一昨日もちょっと書いたけど、パンティッププラザは５階建てのビルで、建物中でパソコンに関するソフトやハードが売っている。別名『コンピューターシティ』。昔は300円くらいでWindowsやPhotoshopの完璧な贋物が買えた。日本人と見るとやたらとエロビデオを売ってこようとするDVDショップが沢山ある。ほしい人がいれば買ってきます。たぶん500円前後だと思います。

バンコクも残り２日間。酒もタバコも女も薬もやらない一人旅のバンコクなんて、基本的にはありえない。周りが旅人だらけなだけに余計に寂しくて、今は何かをしようというモチベーションもないけれど、もしかしたら帰りは寄らないかもしれないから、後２日は大切にしたいと思います・・・。

明日も暑いだろうな。