Go To Hell!

今日は一念発起、朝８時に宿を出て通称「地獄寺」まで行って来た。

地獄寺とはまさに地獄をさまざまなセメントによる塑像で具現化し、そこには仏教における地獄の解釈と、深遠な教えが現れている・・・と、思いたい。

地獄寺はたぶん旅行者がいないと思う。行くのが大変だから。

まず、サーイターイマイという名の南バスターミナルまで行かなくてはいけないのだが、市内からだとバスで一時間かかる。「長距離バスに乗る」ために「バスに長距離乗ら」なくてはならない。

まあ、平日のせいか道は空いていて、途中バスのおばちゃんに「ここだ」と言われて降りたらまったく見当違いの場所だったこと以外は特に何事もなくサーイターイに着いた。

サーイターイから68番のバスに乗り約２時間、バスのおじさんに「ここだ」と言われたので今度は運転手にも確認してから降りた。

来る途中にも「ワット・パイロンウアこっち」みたいなでかい看板があったことから結構有名な寺なんではないかと思っていたが、かなり立派な山門がお出迎え。

敷地は思っていたよりずっと広く、あちこちにどかどかと仏像がたっている。
中心には等身大ガンダムくらいありそうな白い仏像が触地印を結んで座っている（タイの仏像は触地印が多い）。
「たぶんチープな塑像がぱらぱらあるだけのど田舎の寺なんだろうな」
という予想とは大違いだ。

飲料水が残り少なくて心配だが、とにかくこの猛烈な太陽の下、歩き回るしかない。

途中、浮気がバレて奥さんから切り殺されそうになっている人や、うんこをしている像などはあったが、ネットで見た地獄っぽい像がない。

何故か境内には犬がたくさん放し飼いになっていて狂ったように吠え掛かってくるので、そのたびに全速力で逃げ回り、体力と飲料水を消耗しつつやっと辿り着いたのは、周りを堀で囲まれた島だった。

そう、地獄寺は正確には地獄島だったのだ。

まず、素敵な女性がお出迎え。

・・・なんだここは。

「いらっしゃーい」
「いらっしゃーい」

地獄って、こんなんか？なんだか作った人の性癖とかがモロに出てないか？
なんか個人的な恨みとか。
↓これとか明らかにモデルがいるだろ。

良かった。おれMじゃなくて。もしMだったら失禁してるわ。これ。

・・・ほんとに仏教の地獄観現してるんだよね。子供たちにもちゃんと教えられる深イイ話が裏にはあるんだよね。信じたい。信じたいです。

途方にくれているといきなり地獄の横にある東屋でマイク片手に実況中継していたDJ坊主に
「ちょっとコッチ来い」
と呼ばれた。
近づくと、
「日本人よ、タンブンを積め」
と、いう。タンブンとは要するに寄付をして徳を積めっていうことです。

まあ、いいか悪いかは別としてガイコクジンが興味本位でタダ見もなんなんで寄付をして線香と花をおそなえすると、DJ坊主が
「ただいまー日本人がータンブンをーおこなっておりますー」
と、マイクを使って寺中にアピールしだした。
頼む。はずかしいからそのマイクパフォーマンスは止めてくれ。あと10B払うからマジで頼む。

全体を見終わってみるといわゆる地獄は寺のほんの一部であった。
そういう意味では以前ラオスのビエンチャンで見た同じような塑像のあるワット・シェンクアンやノンカイのワット・ケークよりもだいぶ規模が小さく、塑像のバラエティも乏しかった。

でもわざわざ片道３時間かけて来るだけの価値はあるかな。

帰り、寺の入り口脇の待合所のようなところで、渡辺麻友似のかわいい女の子に
「バンコク行きのバスはここに来るの？」
と言うと、そうだと教えてくれた。
もちろんかわいいから聞いたわけではありません。この子が唯一多少なりとも英語が通じそうだったからです（ほんとに）。

まゆゆはバスが来るたびに
「これは違う」
と親切に教えてくれたので、間違えることなくバスに乗れた。

本と、結婚してくれませんか。

バスはまた２時間かけて、バンコクへ。風と砂で髪の毛がぼさぼさになり、なんだか久々にアジアのバスに乗ったなと感じた日でした。

ちなみにバスは行きも帰りも毎正時（いわゆる10時とか11時とかきっかり）にあるようです。行かれる方はご参考まで。

ただし、いつでもまゆゆが親切にバスを教えてくれるとは限りませんので、悪しからず。